会長挨拶

教育情報研究の新たな展開を目指して

 日本教育情報学会は、1985年に故木田宏初代会長(元文部事務次官)のもと産官学より多くの有識者が結集し設立された。設立当初より今日まで、教育情報に関する学際的な教育研究により得られた知見を基盤に、実践と理論の融合を目指し、会員相互間の交流や連携を図ってきた。これらは、後藤忠彦元会長、林徳治前会長により継承され発展を遂げてきた。
これまで、科学技術の進展や社会のニーズに伴う、デジタル・アーカイブ、著作権、ICT教育活用等の研究や、木田宏文庫の創設、およびその貴重な資料をもとにした教育委員会制度のあり方や教科書問題等に関する会員間の協働活動、さらに、研究会活動の活性化を通して、多くの有能な教育実践者や企業家の会員諸氏を教育研究者として輩出してきた。
今後、歴代会長による理念の「伝承」を堅持し、会員相互の「協働」を通して新たな創造と発展を図り、理論と実践の架け橋となる組織になるよう尽力したい。そして、実践者を教育研究者として輩出し社会に貢献できることを願っている。
時代は大きな変革期を迎えている。また、持続可能な社会の実現に向けての課題も山積している。これらの課題を解決し、それぞれのウェルビーイングを実現するためには、学会論文誌の発行(編集委員会)、会員への有益な情報提供サービス等広報活動の充実(広報委員会)、研究会活動の重点化と活性化(研究会委員会)、グローバル化にむけた国内外での産学の諸機関との連携促進(国際交流委員会)を引き続き重点項目として取り組みながら、それぞれの質の向上と新たな取り組みが求められるところである。
会員各位におかれては、引き続き本学会の発展にご協力、ご教示いただくよう切に祈念している。

会長 安達 一寿