活動内容

研究会主旨

日本教育情報学会では、設立当時より著作権、教材開発、コンピュータの教育利用、教育情報などの分野で研究会活動を行ってきました。
これらの経緯を踏まえて今日的課題である高度情報技術の活用(タブレット端末や生成AI等)、それに伴う一人一人に応じた新しい学びへの考え・方法、など、教育現場が直面している重要課題について議論し、研鑽を深めることを目的とする研究会を設置しています。

1.教育資料研究会

会   長:成瀬喜則
副会長:又吉 斎・長谷川春生・齋藤陽子

これらからの教育に求められる「個別最適化された学び」「創造性を育む学び」を実現するためには「学び」について、その方法や内容の面から深く追求することが不可欠である。これまでに蓄積されてきた教育資料、特に学びに必要な学習者のための資料の在り方や学びから得られた情報をどのように次の学びへ活用するのか等の観点から幅広く議論したい。年間2回の研究会を開催して、本主旨に沿った研究発表、議論を行う。

2.特別支援教育AT 研究会

会 長:太田容次
副会長:小川修史

特別支援教育におけるICT活用、とりわけAssistive Technology(AT)について研究を行う。障害のある児童生徒に対する「合理的配慮(国連:障害者の権利に関する条約に準拠)」におけるICT活用について、開発・実践・研究を行う。Facebook上の研究会において常時情報交換を行うとともに、夏の学会年会の他、年度末に実施する「特別支援教育AT研究会(研究会年会)」や各都道府県で実施されるICT活用研究会においてその成果の報告・交流を行う。

3.プログラミング教育研究会

会 長:山本利一
副会長:本郷 健・本村猛典

プログラミング教育研究会では、各種発達段階におけるプログラミング教育の実践事例を収集すると共に、それらを幅広く発信する研究会として、活動していく。多くの先生方にご参加頂き、先生方が行っている実践、これらか必要となる実践などを、ご提案する。新たなAI時代が幕開け、これまで以上に持続可能な社会を作り出す資質・能力が求められており、その一翼をプログラミング教育を通して、身に付けさせるための具体的なあり方を検討する。ここでは、単にプログラミング的思考の育成ではなく、コンピューテーショナルシンキングを育む指導として広く捉え、それらのあり方を検討していく。
これまで、日本教育情報学会やその他学会の提案を基に、①プログラミング教育の必要性、②学校教育における位置づけ、③プログラミングの教育的意義および効果を先行研究から下記のように整理した。
①新たなものを生み出し、難しいものに挑戦しようとする探究力が身につく。
②アルゴリズム的思考、論理的思考力が身につく。
③物事や自己の知識に関する理解力が身につく。
④自分の考えや感情が発信できる表現力や説得力等のコミュニケーション力が身につく。
⑤知恵を共有したり他者の理解や協力して物事を進めたりする力が身につく。
⑥プログラミングを通して、情報(技術)的なものの見方や考え方が身につく。
⑦プログラミングを学ぶことを通して、プログラミングが設計された基礎にある事象(現実)の捉え方(見方・考え方)を身につけることができる。
 教育のグローバル化や、扱う情報が飛躍的に増加している予測困難な時代を児童・生徒が生き抜くためには、これらプログラミング教育を通して身につくような資質が求められることは周知のことである。情報が諸資源と同等の価値を有し、それらを中心として機能する社会においては、情報を適切に処理できる人材の育成が不可欠となっている。「プログラミング教育研究会」は、初等中等教育のプログラミング教育の推進と、高等教育や国際比較研究の観点を含めて、それらの効果(実践事例)と今後の課題(人的・物的環境など)を発信していきたいと考えている。

4.教育技術研究会

会 長:佐藤典子
副会長:治京玉記

近年様々な分野でデジタル化が推進され、学校においても、デジタル技術を活用する事が求められている。学校においては、すべての学習者の可能性を引き出すためには、デジタル・トランスフォーメーションを通して「個別最適化の学び」と「協同的な学び」が実現すると考えられている。コロナウイルス感染拡大によって学校においてもデジタル化が促進されたが、コロナ収束後にどのような姿が理想的なのか考える時期となっている。フィジカル空間とサイバー空間がいかにして融合していくのか、考える必要がある。「誰もが、いつでもどこからでも、誰とでも、自分らしく学べる社会」を実現するためには、学校における授業技術・教材開発の工夫も必要である。また、不易なるものと流行といえるものについて多くの情報を収集し、教育の根幹を模索する事により、学習者の考える力や自主性を育むための方策について検討する。授業技術・教材開発の工夫によって「豊かな教育情報」がもたらされると考えられる。そのためには、教職を目指す学生が履修する教職課程の授業科目の充実・工夫、さらには現職教員の指導力向上の方策などについて検討する必要がある。教育技術研究会では、幅広い校種、教科における授業技術・教材開発等の教育技術について検討し、議論を深める。

5.グローバル教育研究会

会 長:清水義彦
副会長:陳 那森

本研究会は、1.グローバル人材の育成に関する教育手法、2.海外の研究者との学術交流を推進していく上での諸問題、課題の解決策、3.日本国内での留学生教育や海外からの人材の育成等について研究・協議する。また、4.本学会と海外の学会との学術交流の在り方を検討するとともに、海外での研究会を開催し、学術交流を推進する。

6.デジタルアーカイブ研究会

COVID-19蔓延を契機に、学校教育や図書館や博物館などの社会教育の現場では実体験や実物へのアクセスが制限され、新たな知との出会いが制限され学びの多様性が阻まれている。そのような問題を解決する糸口として、非接触型のオンライン教育におけるデジタルアーカイブの活用が注目されている。社会の知識基盤としてジャパンサーチやEUのヨーロピアーナ、DPLA(米国デジタル公共図書館)の分野横断統合ポータルが存在し、学校や社会教育の調べ学習、キュレーション学習などでの活用を急速に展開している。そのため、これらの多様なデジタルアーカイブの開発と活用事例を分析し、デジタルアーカイブの理論と実践の研究を振興し、AI時代における学びの多様化を考究したい。

7.ICT活用研究会

会 長:河野敏行
副会長:鍋谷正尉

教育DXが進められる中、ICTを効果的に活用し、受講者・指導者相互に働きかけ、豊かで力強い人間力の育成、探求する力を育てる学びの在り方、学校で実践できるPBLなどを研究課題とする。そのために、(1)教材開発(2)サポートシステム構築(3)プログラミング教育(4)教員のスキルアップ(5)ICTの活用促進のための環境作り(6) Web会議システム利用の確立(7) 研究発表の支援、を柱としてそれらを取り巻く問題点を共有して、それらの改善に取り組む。

8.IR研究会

会 長:白鳥成彦
副会長:今井匠太朗

インスティテューショナル・リサーチ(IR)は、大学の経営および意思決定支援、計画策定のツールとして、教育・研究活動のみならず、人事や組織内資源配分、計画立案、大学評価、内部質保証といった幅広い活動に欠かすことのできない機能として認知されつつある。本研究会では、IRの基礎から先進的な取り組みまでの事例研究を通して、これからのIRの在り方や人材育成について議論や研究開発を行い、社会実装としてのIRのみならず学術分野としてのIRの確立と探求を目指す。
また、デジタル・トランスフォーメーション(DX)は教育機関にも必須の要件となりつつある。IRはまさにDXを踏まえておかなければ、成立しないものである。IR研究会ではDXを教育機関のIRを支える重要な要素として認識し、教育機関におけるこの分野の研究も推進

9.「AIと教育 」 研究会

会 長:加納寛子
副会長:野末俊比古・福田美誉・竹谷正明

生成AIが急速に進展し、AIを専門としない人々の領域にも否応なく影響を及ぼしてきている。学校で禁止したところで子どもたちは、スマホアプリで利用することでしょう。教育現場が教えることから逃避し、問題が起きてから後追いの教育を行うのでは遅いと考える。そのため、「AIと教育」研究会では、AI(人工知能)技術が教育に及ぼす影響を考え、子どもたちにどう教えていくのかについて議論する。適切なプロンプトの作成方法や、ハルシネーション、トランスペラシー、プライバシーなど生成AIを取り巻く問題に対応できる総合的な能力を育成するための教育方法や必要なツールの開発などを検討する。